通販クリエイティブの会社が、いま「伴走型デザイン」も必要だと感じている理由
私たちホワイトスペースは、長いあいだ通販(EC)のクリエイティブをつくってきたデザイン事務所です。商品ページ、広告、カタログ。「売るためのデザイン」の世界で仕事をしてきました。そしてこれからも、通販クリエイティブはもちろん続けていきます。
そのうえで最近、「伴走型デザイン」——作って納品して終わり、ではなく、お客さまと並走しながら一緒に育てていく関わり方——も必要ではないか、と感じるようになりました。今日はその”感じていること”を、まだ整理しきる前の段階ですが、正直に書いてみます。決めたことの報告ではなく、いま考えていることのメモに近い文章です。
通販の現場で、正直に感じてきたこと
通販のクリエイティブは、「売るためのデザイン」です。おしゃれに作ることそのものが目的ではなく、伝わって、動いてもらえて、はじめて意味がある。この感覚は、通販の仕事が私たちに染み込ませてくれたものです。
ただ、正直に書いておきたいことがあります。作ったものの結果が、いつも自分たちにすべて見えるわけではない、ということです。売れたのか、どう受け取られたのか——その数字や反応はクライアントの手元にあって、私たちのところまで降りてこないことも少なくありません。
「あのデザインは本当に役に立てたのだろうか」と、確かめきれないままのものがたくさんある。この手応えを確かめきれないところも、いまの問題意識の出発点になっています。
「作って終わり」が悪いわけではない
先に、誤解のないように書いておきます。「作って納品して終わり」という関わり方が悪いわけではありません。
必要なものを、きちんと仕上げて、渡す。それで十分な場面はたくさんありますし、そういう頼まれ方をすることも多い。スピードや明快さという点で、むしろそれがいちばん合うこともあります。私たちはそれを否定したいわけではないし、これからもその形の仕事は続けます。
ここで書きたいのは「良い/悪い」ではなく、関わり方には選択肢がある、という話です。納品して終わる形もあれば、一緒に走り続ける形もある。後者が向く場面が、いま増えているのではないか、と感じているのです。
感じている物足りなさは、「アウトプット中心」になりやすいこと
では何が引っかかっているのか。突きつめると、これまでのやり方は、つい**「何を作るか(アウトプット)」が中心**になりやすい、ということだと思います。
作るものを決めて、きれいに仕上げて、渡す。その流れ自体は自然です。でも、デザインが本当に効くかどうかは、作り込みの精度そのものより、**「誰に、どう届くか」**で決まります。アウトプットを磨くことに集中しているうちに、その一番大事な「届く相手」の解像度が置き去りになってしまうことがある——そこに物足りなさを感じてきました。
だから、「ターゲット目線で伴走する」ができたら
私たちがいちばん大事にしたいのは、ターゲット目線でデザインすることです。何を作るかの前に、「誰に届けたいのか」「その人は何を求めているのか」から考える。通販の現場で自然と身についた、この”届ける相手から発想する”視点こそが、私たちの持ち味だと思っています。
だとしたら、その視点は、納品する一回きりで使うより、一緒に走りながら使えたほうが、ずっと力になれるのではないか。お客さまの商売の変化を近くで見ながら、「いまこの相手には、こう伝えたほうがいい」と一緒に考え続けられたら——。それが、いま「伴走型も必要では」と感じている、いちばんの中身です。
そしてこれは「らしさ」の話ともつながります。その会社・その店にしかない”らしさ”は、一回のヒアリングと一回の納品では、なかなか言葉になりきりません。時間をかけて一緒に商売を見ながら、「それ、らしいですね」「それは少し違う気がします」と往復するなかで、少しずつ輪郭が見えてくる。ターゲット目線と伴走は、この”らしさを一緒に掘り出す”作業とも、相性がいいはずだと考えています。
いまはまだ、「こう考えている」の段階です
最後にもう一度書いておくと、これは通販をやめて伴走に「転向」した、という話ではありません。通販クリエイティブは続けます。伴走型は、それと入れ替わるものではなく、同じ「ターゲット目線で伝わるものを作る」という根っこから伸びた、もうひとつの関わり方として考えています。
もし「自社の”らしさ”がうまく言葉にできていない気がする」「作ってもらったものが、どこか自分たちに馴染んでいない」と感じることがあれば、一度お話ししてみませんか。売り込みではなく、まず聞くところから始めます。私たち自身も、こうした対話のなかで考えを深めていきたいと思っています。